レポート

Case02大代ゼンテックス株式会社

行政の福祉化を進めるにあたっては、障がい者や一人親やホームレスといった一般企業では雇用されにくい人たちの働く場をつくる視点が大切になってきます。営利だけを目的とするのでもなく、福祉的就労(就労継続支援A型・B型事業所、地域活動支援センターなど)でもない「中間的な職場=ソーシャルファーム」が注目されています。ここではさまざまなソーシャルファームの取り組みをレポートします。

「現場の人を一番に考える」をモットーに社内に「就労支援グループ」を設置

大代ゼンテックス株式会社の主な事業は清掃管理、警備、設備・環境衛生管理、管理サービス、運営管理です。

 創業は1900年に遡り、「伊勢組」として重量運搬や変電所の設置に携わってきました。戦後は、地下鉄駅構内の清掃などビルメンテナンスを中心とし、都市公園の指定管理者など、事業を拡げていきました。ところがバブル期に人手不足を経験したことから、高齢者、シングルマザーなどを採用するようになりました。その頃から多様な人材が活躍できる現場づくりを大切にするようになっています。

 とりわけ障がい者雇用に積極的に取り組み、2005年には第3回大阪府ハートフル企業(雇用と定着につながる活動)分野賞を受賞(大阪府障がい者雇用貢献活動顕彰制度)しました。現在では身体、精神障がい者含めて約50名、14%が就労しています。

 さらに、2020年からは社内に就労支援グループをつくり、障がい者雇用に特化した担当者を置いています。発注者と現場それぞれの担当者とコミュニケーションを取ることで、特性を理解してもらい、働きやすい職場づくりに取り組んでいます。

 ビルメンテナンス業界は人件費が7割と言われ、現場で働いてくれる人を大事にしなければならないといいます。このような取り組みにより、大代ゼンテックスさんは現在、障がい者だけでなく、トランスジェンダーや外国人といったさまざまな人にとって働きやすい職場となっているのです。


企業名大代ゼンテックス株式会社
HPhttps://www.oshiro.biz/
事業内容清掃管理業務、警備業務、設備管理業務・環境衛生管理業務、管理サービス業務受付案内、案内管理業務など