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レポート

Case05株式会社 アスウェル

行政の福祉化を進めるにあたっては、障がい者や一人親やホームレスといった一般企業では雇用されにくい人たちの働く場をつくる視点が大切になってきます。営利だけを目的とするのでもなく、福祉的就労(就労継続支援A型・B型事業所、地域活動支援センターなど)でもない「中間的な職場=ソーシャルファーム」が注目されています。ここではさまざまなソーシャルファームの取り組みをレポートします。

古き良きものを後世に伝える「善良な庄屋」のような建物管理者

 株式会社アスウェルの主な業務は、ビルメンテナンス業務、人材派遣業務、といったビルメンテナンス業務です。さらに2005年からは古き良き建物をうまく管理・利活用して次の世代に残していくために、指定管理者業務にも手を広げ、泉南郡田尻町にある田尻歴史館の指定管理者となりました。

 アスウェルさんでは建物を補修管理するだけでなく、うまく活用して次の世代に伝えることが使命との考えから、レストランを作ったり、ウエディングスペースとして活用したり、四季折々のイベントを開催したり、アイデアを駆使することで文化を発信しています。そのような実績が認められ、これまで東大阪市指定文化財の旧河澄家や、大阪府のシンボルともいえる中之島図書館などの指定管理者を任されてきました。昨年からは、大阪府下唯一の重要伝統的建造物群保存地区(重伝地区)である富田林市寺内町四施設の指定管理者にもなりましたでもあります。

 その際に欠かせないのが地域の方達の協力です。例えば餅つきを企画したところ、行政から「文化財なので火を使えない」と言われたのが、地域の方達の協力で「使って良い」と変わりました。このように地域の人々に建物保存に積極的に取り組んでもらったり、イベントにかかわってもらったりするには地元の方達の応援が欠かせません。そのためには、地域の人たちの建物への誇りと大切な記憶が不可欠です。

 アスウェルさんは、「地元との連携は庄屋のような才覚が大切」との思いから、地域の人に建物利用してもらえるような工夫をこらすことで、協力者を増やしながら建物保存に地道に取り組んできました。

 とりわけ、文化財関係の仕事は赤字になることも多いため、このように地域とともに伝統的な建物の保存と次世代への継承をする姿勢が欠かせないのではないでしょうか。


企業名株式会社 アスウェル
HPhttp://www.asuwell.co.jp/
事業内容ビルメンテナンス業務、人材派遣業務、指定管理者業務など
(特殊建築物の点検・設備の調査・防災点検など含む 今はドローンによる
建物点検・空撮も)